「だったらどうしてこんな言葉が出てくるんですか! あなたは外国人従業員たちの言葉よりも工場長の言葉を信じましたよね。それは彼らが外国人だからでしょ? この音声の中ではっきりと言っているじゃないですか。それだけじゃない、あなた方は彼らからパスポートを取り上げていますよね、理由は飼い殺しにして安月給でずっと働かせるため。これも証拠として残っているんですよ。そして日本人の社員にはきちんと給料明細を渡しているのにも関わらず彼ら外国人従業員の給料には明細書も渡していないですよね。何故日本人の社員には明細書があるのに彼らにはそれがないんですか!」

これだけのことを言われてしまった佐々木はがくりと肩を落とす。

「分かりました。それで要求はなんですか?」

「まずは給料の水準をほかの日本人社員と同じ程度にすること、もちろん明細書もしっかり渡してください。あとは外国人差別をなくすこと、これは全社員徹底してください! それとパスポートを全員に返す事、これは直ちにやってください! もちろん不当な解雇もしないでください。最後に最低でも過去二年間にさかのぼって未払い分の給料を支払ってください」

最後の要求にはさすがに慌ててしまう佐々木。