「お前らが納得しようとしまいと外国人の給料なんてそれでいいんだよ、外国人ふぜいが生意気言うな!」

「何ですかそれ、外国人だからってバカにしすぎじゃないですか、僕らはその少ない給料の中から国に仕送りをしているんです!」

二人の言い争いに気付いてやって来たのは工場長の小林だった。

「どうした、何もめているんだ?」

「工場長、マイクの奴がどうして同じ仕事をしているのに自分たちは給料が少ないんだって言いだして」

マイクは小林に対しても詰め寄っていく。

「僕たちは日本人のみんなと同じ仕事をしています。それなのにどうして僕たちの給料は日本人の半分にもならないんですか? それどころか日本人はさぼってばかりで僕たちばかりに働かせているじゃないですか」

「本田君給料話したの? この事は彼等には黙っているようにって言ったじゃない、どうしてしゃべったの」

小林のあきれたように話す言葉に言い訳をする本田。

「すみません。僕がうっかり落とした給料明細を彼が拾ってしまってその時に見られてしまいました」

「わざわざ中身を見たのか?」

勘違いをしてしまった小林に対しマイクが訂正する。