「確かにそうだな、信じるしかないか」

ソムチャイの声であったが、そこへ飛んできたのはアリの声であった。

「でもさ、慰謝料がもらえるなら裁判になった方が良いんじゃねえか?」

「それがそうでもないんだよアリ。裁判になったからと言って勝てるとは限らない、勝てる可能性が高いのには違いないがな?」

マイクが応えると納得の言葉を口にするアリ。

「確かにそうかもな?」

マイクに代わり続きを説明するエリック。

「まずは会社に内容証明というものを出すそうだ」

次にマイクがICレコーダーを差し出しながら説明する。

「その後会社が何か言ってくるかもしれないから、その時このICレコーダーで会話を録音しておいてほしいそうだ」

「そうか、会社に何か言われても録音しておけば証拠になるという事だな?」

それはソムチャイの言葉であり、それにマイクが続ける。

「そうだな? とにかく今日はこれで解散しよう、あとは内容証明が届いて会社がどう出るかだ」

そうしてこの日は解散となった彼ら。

会社に内容証明が届いたのはその二日後の事だった。