寮に帰った二人はみんなを自分たちの部屋に集めこの日の出来事を伝えると、まずこの日の結果を尋ねたのはアリであった。

「どうだったマイク」

「まあ聞いてくれ、今日会った弁護士の先生が手を貸してくれるそうだ。お金もかからない」

「大丈夫なのかそれ?」

「どういう意味だそれ?」

ソムチャイの言葉に一体何の事かと不思議そうに尋ねるマイク。

「この国の言葉でタダより高い物はないという言葉があるそうだ! お金がかからないのは助かるがほんとに大丈夫なんだろうな?」

ソムチャイに対し応えたマイクの声は落ち着き払っていた。

「大丈夫だ心配するな、今日会った弁護士の先生はNPOの所長をしていて僕たちの様に不当に扱われている外国人の支援をしているそうだ! だから僕たちの費用は掛からないそうなんだよ」

「そうなのか? 信じていいんだな?」

「ただそれには条件があって訴訟に発展しないことが条件だそうだ! つまり裁判だ。裁判になってしまうとその裁判費用が掛かってしまうそうだ。でもその裁判費用も慰謝料に裁判費用を上乗せして請求するから心配ないみたいだ。ただ裁判費用と言っても弁護士費用と訴訟費用は別で、訴訟費用はどうしても掛かってしまうそうだがそれもほとんど額は多くないらしい。いずれにしてもなるべくそうならないようにはすると言ってくれた。とにかく信じよう、他に解決策もないしな?」