「はいそうです」

「それはあまりにも少なすぎますね」

「そうですね、でも当然ながら日本人の労働者はその倍以上もらっているらしくて、そのことに気付いた彼がどうしてなのか問い詰めたら日本人より外国人の方が能力が低いのは当然だと言われたそうです。だから給料が安いと、仮に本当にそうだとしてもほかの日本人の給料の半分にも満たないなんてありえません。それどころか日本人の労働者は度々さぼっていて外国人たちばかりに仕事をさせているそうです」

「そうか、そんな事になっているのか」

伊藤が呟くと更に続ける森宮。

「それだけではありません。更に抗議をすると嫌ならやめたって良いんだと言ったそうです。でも辞められる訳がないんです!」

「どうしてやめられないんだ?」

疑問の表情で尋ねる伊藤に対しその理由を告げる森宮。