「今まではそれが普通で他の日本人の社員も同じくらいの給料しかもらっていないものだと思っていました」

「そんな事ないわ、大体それじゃ時給に換算したらいくらになるのよ! 今どき高校生のアルバイトだってもっともらっているわ」

「やっぱりそうなんですね、日本人の社員は僕たちの倍以上もらっているのが分かって、だからその社員に聞いたんです。そしたら日本人の方が偉いんだから当然だって言われて、外国人のくせに身の程を知れって言われました」

「その社員はそんな事言ったの?」

「はい、その後来た工場長にもどうしてなのか聞いたんです。そしたら日本人と外国人では外国人の方が能力が低いのは当たり前なんだから、だから給料が安いって言われて。それでも抗議していたら嫌ならやめても良いって言われてしまったんです! やめてもどこにも行くとこないだろって言われてしまった僕はパスポートを取り上げられていることもあり諦めるしかありませんでした」

マイクから告げられた外国人に対するあまりにもひどい扱いに、森宮の心の中にはメラメラと怒りが込み上げてきた。