[少し話したいことがあります。南階段に来れますか?]
たったそれだけのメールを境先輩に送った。
[うん]
素っ気のない返事が返ってきたので南階段へと1人で足を運んだ。
私の足には一瞬も後ろめたい気持ちはなくただひたすらに真っ直ぐだった。
今日は曇っているからかいつものように南階段は天窓からの温もりを感じられず少し肌寒かった。
「境先輩、、あの、、!私…と別れてください」
ただひたすらに思いを一文に込めてはっきりと言った。
「え、えっえ、え?な、なんでな、、え?」
「ごめんなさい…あの、、乃々華には言わないで欲しいんですけど私蛙化現象持ってるみたいで。でも先輩の事は本気で好きだったんで…」
「うん。そっか。わかった」
遮るようにそう言って境先輩は居なくなってしまった。
「紗理奈っ!!どうだった!!」
「え…もしかして聞いてた…?」
「なにが?今来たばっかだよ?」
「あっ!!なら良かった。一緒購買行こ?」
「うん!!」
その目は一点の曇りもなくどこか別れたことを喜んでいるようなそんな感じがした。


「いよいよ夏休み!松島さん!今のお気持ちを!!」
こんなこと聞いてくるの乃々華しか居ない。呆れたように、でもちょっと嬉しくて、
「はい最高です!!」
ノリに乗ってみた。好きな人なんか居なくても高校生活乃々華が居れば楽しいって心の底から感じれる。
「そういえば乃々華夏休み暇?」
「あー私ずっと部活なんだよね。紗理奈は?」
「帰宅部はどうせ暇ですよっと」
「そうだよね…私の部活ない時は原宿!行こうね!!」
「うん!楽しみにしてる」
何気ない会話をしながら学校を後にした。