「──松島さん?…松島紗理奈さん?」
先生の起こす声でふと目が覚めた。またやってしまった。
「もう何回起こしたと思ってるの。家で寝てきなさい。次居眠りしてたらあなた成績下がるわよ。」
「わかってます。ごめんなさいってでも寝てるん…」
「言い訳なら後で聞きます。ほら授業の続き─」
適当に選んだ高校も3ヶ月。夏休み前ということで先生たちがピリピリしている。
「紗理奈、大丈夫?最近境先輩と上手くいってないんじゃないの?」
「そんなこと言われなくても分かってる。でも…」
「ほらまたでもって。言い訳ばっかで本心から逃げてたら何も分からないし辛いだけだよ?」
そんなの私がいちばんわかってるって。
私の親友平井乃々華に隠していることがある。私は極度な蛙化現象を起こしてしまうことを。
どうしても好きだという気持ちが気持ち悪く思えてしまう。でも相手には言えず中途半端になって結局傷つくだけ。
入学初日、道に迷っている私を助けてくれたのが境先輩。私の彼氏だ。その姿に一目惚れした。やっと私も恋できるんだって思った。
少しして乃々華と仲良くなった時も1番に話した。私が境先輩のこと好きだってことを。
境先輩は乃々華の中学の先輩でもあるらしく直ぐに連絡先を教えて貰えた。
沢山相談にも乗って貰えた。その甲斐あってか境先輩から告白して貰えた。でも今はそんな事考えられなかった。考えたくなかった。
「乃々華には悪いけど私恋愛向いてないのかも。すぐお互いの気持ちとか分からなくなっちゃうから。しかもちょっと境と合わないところもあって…ほら例えば!!」
「そっか……!お似合いだと思ったけど紗理奈には合わなかったか。また好きな人出来たら教えてね。」
冷めた口調で言い返された。その時の乃々華の目はどこか遠くを見ているような。なにかぼうっとしているような。そんな感じがした。
「好きな人…できるかな。乃々華も教えてね。もう夏休みになるし。」
やっぱり乃々華に悪かったなと思う。でもそれは仕方ないからと言い訳つけて考えることをやめた。
私はいっつもこうだから。好きな人が出来ても。
先生の冷たい目線がこちらに向いていることに気づき授業に再び集中した。
先生の起こす声でふと目が覚めた。またやってしまった。
「もう何回起こしたと思ってるの。家で寝てきなさい。次居眠りしてたらあなた成績下がるわよ。」
「わかってます。ごめんなさいってでも寝てるん…」
「言い訳なら後で聞きます。ほら授業の続き─」
適当に選んだ高校も3ヶ月。夏休み前ということで先生たちがピリピリしている。
「紗理奈、大丈夫?最近境先輩と上手くいってないんじゃないの?」
「そんなこと言われなくても分かってる。でも…」
「ほらまたでもって。言い訳ばっかで本心から逃げてたら何も分からないし辛いだけだよ?」
そんなの私がいちばんわかってるって。
私の親友平井乃々華に隠していることがある。私は極度な蛙化現象を起こしてしまうことを。
どうしても好きだという気持ちが気持ち悪く思えてしまう。でも相手には言えず中途半端になって結局傷つくだけ。
入学初日、道に迷っている私を助けてくれたのが境先輩。私の彼氏だ。その姿に一目惚れした。やっと私も恋できるんだって思った。
少しして乃々華と仲良くなった時も1番に話した。私が境先輩のこと好きだってことを。
境先輩は乃々華の中学の先輩でもあるらしく直ぐに連絡先を教えて貰えた。
沢山相談にも乗って貰えた。その甲斐あってか境先輩から告白して貰えた。でも今はそんな事考えられなかった。考えたくなかった。
「乃々華には悪いけど私恋愛向いてないのかも。すぐお互いの気持ちとか分からなくなっちゃうから。しかもちょっと境と合わないところもあって…ほら例えば!!」
「そっか……!お似合いだと思ったけど紗理奈には合わなかったか。また好きな人出来たら教えてね。」
冷めた口調で言い返された。その時の乃々華の目はどこか遠くを見ているような。なにかぼうっとしているような。そんな感じがした。
「好きな人…できるかな。乃々華も教えてね。もう夏休みになるし。」
やっぱり乃々華に悪かったなと思う。でもそれは仕方ないからと言い訳つけて考えることをやめた。
私はいっつもこうだから。好きな人が出来ても。
先生の冷たい目線がこちらに向いていることに気づき授業に再び集中した。