辺りはすでに暗くなっており頼りなく光る街灯がさらに不安をかきたてていた。

その時は気のせいかとも思ったがその後も何度も同じような事が続き、そのたびに走って逃げ時には交番に駆け込む事もあった。

「お巡りさん助けてください!」

「また君かぁ、いつも来るけど誰もいないよ」

「いたんですさっきは」

杏奈は少しの間交番に身を寄せ、そして帰る事にした。

「そんなに不安だったら送っていこうか?」

「大丈夫です一人で帰れますから」

「でももうすっかり暗くなっちゃったよ」

「大丈夫ですから心配いりません」

この時の杏奈は警察官の姿でさえ他人の存在が怖くなっていた。

この日はその後何事もなく帰れた杏奈だが、ところがとうとうその時はやってきた。