「どうしたの杏奈、せっかく写真集の発売が決まったというのに浮かない顔しているわね」

「社長、その写真集って水着とか着るんですか？」

「水着は嫌？」

「嫌じゃないですけど、でもやっぱり水着を着るとなると恥ずかしいかなって」

「安心して、今回は水着を着る予定はないから。本当は時期的にも水着を着たいところだけどあなたはまだ良いわ。あなたの清楚なイメージだと水着は着ない方が良いもの」

岩崎の言葉を聞いて表情を明るくする杏奈。

「そうですか、これで少し安心しました。でもいつかは水着を着る日が来るんですよね」

この時の杏奈は幾分ほっとした表情をしていたものの、わずかな不安も感じていた。

「そうね、近い将来水着を着てもらう日が来るかもしれないわね。その時の為に今の体型を維持しておいてもらわないとね」

「やっぱりそうですよね、水着くらい着られないといけないですよね」

再び俯いてしまう杏奈。

「それにもしかしたらグラビアで着る事になるかもしれないからね、でもご両親との約束通りそれ以上の事はあたしがさせないから安心してね」

「はい、ありがとうございます」

その夜杏奈はベッドに横になりながら遥翔にメールで写真集の件を知らせる。