この時杏奈はなにか底知れぬ不安を感じており、それを表すかのように社長室には重たい空気が漂っていた。
(遥翔さんの事ってなんだろう、まさか悪い知らせじゃないよね……)
「遥翔さんがどうかしましたか?」
恐る恐る尋ねる杏奈に対し、岩崎の口から辛い宣告が放たれることとなった。
「遥翔の病気ね、もうダメみたいなの。これ以上の回復は見込めないそうなのよ」
「どうしてそんな事言うんですか? 遥翔さんは治ります。社長も五十嵐さんも諦めないでください」
杏奈はあまりのショックにその場にうずくまり泣き出してしまった。
「杏奈落ち着いて、お願いだから最後まで聞いて。遥翔にとって大事な事なの」
その言葉を聞き懸命に涙をこらえる杏奈。
「それでね、遥翔が入院している病院には緩和医療というものがあるそうなの。そこは残された命を病気の痛みや治療の苦しみから解放してあげて楽にしてあげるところらしいの。先生が言うにはそこの病棟に移ったらどうかって言うのよ。それで先生のこの提案を受け入れようと思うんだけど」
(遥翔さんの事ってなんだろう、まさか悪い知らせじゃないよね……)
「遥翔さんがどうかしましたか?」
恐る恐る尋ねる杏奈に対し、岩崎の口から辛い宣告が放たれることとなった。
「遥翔の病気ね、もうダメみたいなの。これ以上の回復は見込めないそうなのよ」
「どうしてそんな事言うんですか? 遥翔さんは治ります。社長も五十嵐さんも諦めないでください」
杏奈はあまりのショックにその場にうずくまり泣き出してしまった。
「杏奈落ち着いて、お願いだから最後まで聞いて。遥翔にとって大事な事なの」
その言葉を聞き懸命に涙をこらえる杏奈。
「それでね、遥翔が入院している病院には緩和医療というものがあるそうなの。そこは残された命を病気の痛みや治療の苦しみから解放してあげて楽にしてあげるところらしいの。先生が言うにはそこの病棟に移ったらどうかって言うのよ。それで先生のこの提案を受け入れようと思うんだけど」