その翌日遥翔の病室には颯太が来ており、そこへいつもの様に杏奈が見舞いにやって来た。

「遥翔さんお見舞いに来たわよ」

扉を開けるとそこには見知らぬ男の子がいたために驚いてしまった杏奈。

「誰ですかこの子、かわいい」

「この前新しく出来た僕の友達の颯太だ」

「颯太君て言うの? かわいいね、あたし杏奈よろしくね」

「こんにちは杏奈おねえちゃん」

「こんにちは、遥翔さんとお友達になってくれてありがとう。これからもよろしくね」

この時杏奈の表情には満面の笑みがこぼれていた。

杏奈の登場に颯太は突然思いもかけない事を言い放った。

「ねえ、おねえちゃんがおにいちゃんの大切な人?」

颯太の突然の一言に慌ててしまう遥翔。

「バカっそれ言うんじゃないよ」

その隣では杏奈が頬をポッと赤く染めていた。

「やだっ遥翔さんたらそんな事言ったの?」

(遥翔さんたらあたしの事そんな風に思ってくれていたんだぁ、何だかうれしいなぁ?)

「うん言ったよ、大切な人がこの写真を撮ってきてくれたって」

壁に貼ってある写真を指さしながら言う颯太。

「それっておねえさんの事じゃないの?」

颯太は杏奈の異変に気が付いた。