「だからもうあたしたちの事はそっとしておいてください、それに病院の方々の迷惑になります。お願いだから帰ってください」

そうしてマスコミは帰っていったが、その直後自分がとんでもない事を言ってしまった事に気付き後悔することになる杏奈。

実は杏奈がこれほどまでに感情を表に出すのは大変珍しく、自分でも感情を抑えることが出来なくなっていた。

（どうしよう、あたしとんでもない事言っちゃった。遥翔さんの気持ちも知らないのにあたしなんて事言っちゃったんだろう。今のを遥翔さんが見たらどう思うかな？　でもほんとの事だから良いよね……）

その翌日テレビやスポーツ紙で大々的に報道されると、この日オフだった杏奈のスマートフォンが突如鳴り響いた。

それはマネージャーの畑中からであり、その声はすごい剣幕で怒っていた。

「杏奈、あなた一体なんて事言ったの！」

「ごめんなさい、思わず口を滑らせてしまって。マスコミの人たちの発言があまりにも失礼だったもので興奮してつい、でも言った事は嘘じゃないの、これからも遥翔さんを支えていきたいと思っている」

この時の杏奈はその声色からも分かるほどすごく落ち込んでいた。