自分が大変な病にかかってしまった事に依然信じる事が出来ない遥翔に、更に続ける渡辺医師。

「わたしの診断が信じられなければセカンドオピニオンなさいますか? 納得できないのならそれも構いません。でも診断は変わらないでしょう、そうしている間にもどんどん病気は進行して行きますよ、すぐに治療を始めなければ手遅れになります。最悪の場合足を切断しなければいけなくなりますよ、もし切らずに残したとしても骨の一部は切り離し再建手術が必要になります」

「僕はアイドルです、切断だけは勘弁してください」

突然の出来事に落ち込みつつすがる様に懇願する遥翔。

「そうならないようにしたいのですが、発見が遅れたためにすでに現在難しい局面に来ています」

「それは足を切断しなければいけないって事ですか?」

「肺などに転移なんてことになったらもっと大変ですからやむを得ない場合が来るかもしれません。この病気は進行が速いんですよ、とにかく早速治療計画を立てましょう」

この時渡辺医師の説明を聞いている遥翔の表情は瞬く間に暗い表情へと変化していき、説明を聞きながら遥翔はもっと早くに受診しておくべきだったと後悔していた。

「先生絶対に治してください、お願いします」

「全力を尽くします。一緒にがんばりましょう」

「ありがとうございます」

翌日まず肺などへの転移がないか検査をし、その後抗がん剤で腫瘍を小さくするとともに血液に乗って体内に散らばったがん細胞を退治する治療が始まった。