「分かりません、これからどうしたら良いのかさえ全然」

「それならさあ、僕が住んでいるマンションに来ない?」

ベッドにちょこんと座る杏奈の隣にゆっくりと腰を下ろしながら言う遥翔、対して杏奈はこの遥翔の発言に対し再び頬を赤らめていた。

「えっやだいきなり同棲だなんて、急にそんな事言われても困っちゃいます」

「何勘違いしているの? そうじゃないよ、僕はそれでも良いけどね」

まさかの勘違いと、それに対する遥翔の思わぬ告白に更に頬を真っ赤に染め上げ恥ずかしがる杏奈。

「確か僕の住んでいるマンションは何部屋か空きがあったと思うんだ、もちろんオートロックも付いている。その割に家賃が安いんだよね、今回のような事を考えるとオートロックは付いていた方が良いでしょ?」

「確かにそうですけどでもそうなると安いとはいえそこそこの家賃しますよね、あたしの安い給料じゃ無理です。それにこの先ちゃんと仕事が頂けるか分からないし、でも生活切り詰めればいけるかな?」

「大丈夫だよ杏奈ちゃんなら、これから先もっと売れるって」

「そうかなぁ?」

「それに仮に売れなかったとしても事務所でバイトもしているんでしょ? あまり贅沢は出来ないにしても何とか家賃を払っていけないかな、その時はバイトの量を増やしてもらうとかしてさ。もちろんモデルとして売れなかったからといってすぐに諦めろと言っているわけじゃないよ」