「大丈夫です、あたしやります」

「無理よそんなので良い表情作れる? 今日の仕事は中止、キャンセルよ。取り敢えず急病って事にしておくからあなたは今日一日ここで休んでなさい、分かった?」

「はい分かりました」

がくりと肩を落とし落ち込む杏奈。その後畑中は関係者に仕事キャンセルの電話を入れ、すぐに謝罪へと向かった。

関係者への謝罪を終えた畑中はその足で事務所に向かい社長の岩崎と杏奈の今後について協議をする。

「社長、杏奈は夕べ恐怖で眠れなかったらしく今日は仕事になりそうもなかったので仕事をキャンセルし一日オフにしました」

「そう仕方ないわね、事情が事情だからね。だけどほんと困った事になったわ、まさかこんな事になるなんて」

畑中は今後の対応について岩崎に相談する。

「それで今後の対応なんですけどどう致しましょう。まず住む所を探さなければいけないですが今回のような事態が今後も起きないとも限りません。そうならないためにはオートロックの付いたセキュリティーの高い所を探さなくてはいけないでしょう、更に言えば二十四時間セキュリティーの完備したところが良いのですが杏奈の今の収入ではあまり家賃が高いと払っていけませんし、家賃の安くてセキュリティーの高い所なんて都合のいい所がすぐに見つかるかどうか」