「本当に事故だったの? あなたかばっているんじゃないの?」

図星を付かれたと言う様子の隼人。

「事故に決まっているだろ、それとも母さんは身内に犯罪者がいるだけで幸せになる資格がないと言うの?」

「別にそう言うわけじゃないけど、また同じような事をやるかもしれないじゃない」

「そう言う考えの人がいるから過ちを犯した人がいつまでも立ち直れないんじゃないか、とにかく俺は誰が何と言おうと優と結婚するからな!」

隼人の決意をもった言葉にそれまで黙って聞いていた晴樹が隼人に対し助け舟を出す。

「もう良いんじゃないか母さん、二人の結婚を認めてやろう、それに隼人の言う通り一度過ちを犯したからといってまたやるとは限らない、それに実際に間違いをおこしたのは優さんではないじゃないか!」

「あなたまでそんな事言って。分かったわ、仕方ないわよね、あなたたちの結婚を認めるわ」

晴樹の助言を受け陽子も二人の結婚を認めるしかなかった為結婚の許しを得た隼人たち。

この時優はうれしさのあまり何度も頭を下げていた。

「ありがとうございます、もう隼人との結婚は無理かと思いました。本当にありがとうございます、本当にうれしいです」

その後隼人は優と共に婚姻届けを出したものの、陽子は依然として良い顔をしていなかった。