二日後隼人が目を覚ますと、二人のもとに二人の警察官が事情を聞きにやって来た。

「佐々木隼人さんですね」

「はいそうですが」

「体が辛いところ申し訳ありませんが一体何があったのか事情を聞かせてください」

「絵梨ちゃんは今どうしています?」

この時優は隼人の絵梨の呼び方に若干の違和感を覚えた。

「彼女には今留置場に泊まってもらっています」

この後優は隼人の口から思わぬ言葉を聞く事になる。

「彼女は何も悪くありません。ただ僕がちょっとへまやっちゃって、珍しく僕が料理をしていたら絵梨さんが来たものだから包丁を持ったまま外に出てしまって、そしたら玄関で躓いてしまったんです。その時もっていた包丁を離してしまって運悪くたまたま落ちて跳ね返った包丁の刃が上を向いてしまったもんだからそれが体に刺さってしまったんですよ。ほんとドジですよね、慣れないことをするものじゃありません、だから絵梨さんは何も悪くないんです」

「ほんとにそれで良いんですか?」

「言いも何も、本当の事なんだから仕方ないじゃないですか、ただの事故なんですから」

「でしたら被害届は出さないという事でよろしいんですね」