「ごめんね、わけわかんないよね。パパたちには余計な心配かけたくなくて黙っていたんだけど隼人は事故の影響で事故に遭う前の記憶をなくしているの」

あまりに突然の事に驚く二人。だがこの時二人はこの後さらに驚く事になるなんて思いもしなかった。

「そうなのか? どうしてもっと早く言ってくれなかった、それで記憶は戻るんだよな?」

芳雄が希望を込めて尋ねるとそれに静かに応える優。

「それは先生も分からないって。もしかしたら一時的なものかもしれないしこのままずっと記憶が戻らないままかもしれないそうなの」

そんな時隼人がレンジで温めなおしたピザを芳雄たちの前に差し出した。

「どうぞ、あまりもので申し訳ないですが食べてください」

「あまり物だなんてとんでもない、ありがとう、これ隼人君が温めてくれたのか? 記憶を失っているのによくできたじゃないか」

芳雄の言葉に優が応える。

「それはきっとあれよ、操作があまり難しくないからね、特に男の人って新しい電化製品を買った時説明書を読まずに操作できたりするでしょ、あれと一緒じゃないかな?」

「確かにそういうのってあるかもな、それにしても随分と多いじゃないかこのピザ」

「実は相談ていうのはこのピザも関係しているのよ」

優の言葉に疑問の表情で尋ねる恵美子。