『では配達員に電話を代わっていただけますか?』

その声により竹内と電話を代わる隼人。

「店長さんが代わってほしいそうです!」

隼人が差し出すスマートフォンを受け取る竹内。

「分かりました」

「もしもし店長、お電話代わりました」

『竹内君か、申し訳ないが持って行った五枚のピザはお客さんに渡してくれないか、お代は頂かなくて良いから。その後作ってしまった十枚については賄いとしてうちの方で処理することになった』

「分かりました。ですが賄いといってもうちの店もそれほどスタッフの人数がいる訳でもありません、十枚ものピザをスタッフだけで食べきれるでしょうか?」

「おそらく無理だろうな、余ったら明日温めて食べるしかないだろう」

「分かりました、そうするしかないでしょうね、ではそのようにします」

電話を切った竹内は隼人の方に向き直った。

「ではお客さん、こちら置いていきますので、店長からも聞いていると思いますがお代は結構です」

そういうと商品のピザを手渡す竹内。

「ではこれで失礼します、この度は本当に申し訳ありませんでした」

一言謝罪をした竹内は佐々木家を後にした。