「店長どうしましょう、お客さんは頼んでないんだからうちでどうにかしてほしいと言っていますが?」

『そうだな? 聞こえていたよ。でも困ったなどうしようか?』

少しの間考えた小林だがやはりこれしかないと提案する。

『竹内君、お客さんと電話を変わってくれないか?』

「分かりました」

小林の指示通り、竹内はスマートフォンを隼人に差し出した。

「店長が代わってほしいと言うのでお願いします」

その声に隼人は電話を代わる。

「もしもし代わりました」

『店長の小林と言います、この度は大変ご迷惑をかけてしまって申し訳ありません! お届けしたピザの件ですが今回はうちのミスでもあるのでお届けした分のピザは差し上げます、代金もいりません。うちで作ってしまったお届けする前の十枚に関してはうちの方で賄いとして処理するのでこれで勘弁して頂けませんか?』

その提案に納得するしかない隼人。

「分かりました。仕方ないですね」

この時店長の小林は十枚のピザをスタッフたちで(まかな)いとして処理するとは言ったものの、店のスタッフだけで十枚ものピザを食べきれるとは思っていなかった。