「気にかけて頂いてありがとうございます。でも大丈夫です、二人で決めた事ですし隼人もあたしと一緒にいた方が思い出せるかもしれないと言ってくれているので、それに隼人がいつも見ていた風景なのでそんな風景を見ているうちに記憶が戻るんじゃないかと思って、そうよね隼人」

優の問いに隼人は陽子に対して語り掛ける。

「そうですね、確かにそう言いました。それに申し訳ないけど優の事は何となく婚約者だという事を認識できましたが未だにあなたの事をはっきりと母親だとは認識できていません。だったらここでお世話になった方が良いかもしれないと思ったんです」

隼人の口から放たれた言葉に肩を落とし落ち込む陽子。

「そう言う事なら仕方ないわね。だけどまだあたしのことを思い出してくれていなかったのは少し残念だわ」

「ごめんなさい、まだはっきりとは思い出せなくて……」

「良いのよ気にしなくて」

その後ひとしきり休んだ陽子は我が家に帰ることにした。