「おかえりなさい隼人」

優が一声かけるとそれに応えるように静まり返る我が家の中に向け挨拶をする隼人。

「ただいま、ここが僕の家なんだね」

「そうですよ、なにか思い出さない?」

「ううんまだ全然」

「そう焦る必要ないわ、ゆっくり思い出していきましょ。とにかく中に入りましょうか」

その後三人が部屋の中に入ると今度は陽子に対し声をかける優。

「お義母さんもご苦労様です、何か飲みますか?」

「ありがとう、じゃあ何か頂こうかな?」

「ではコーヒーで良いですか?」

「何でもいいわ」

優は三つのカップにコーヒーを淹れ、陽子たちの前に差し出す。

「どうぞ!」

「ありがとう優さん、良いからあなたも少し休みなさい」

「ありがとうございます、では失礼します」

そう言うと隼人たち同様ダイニングテーブルの椅子に腰を下ろす。

そんな二人に対し陽子がそっと問いかける。

「それより二人ともほんとに二人でここに住むの? 誤解しないでね、別に優さんがいけないって言っているわけじゃないのよ、ただ隼人の記憶が戻るまではうちで様子見た方が良いんじゃないかと思って」

そんな陽子の問いかけに対し大変ありがたく思いながらも返事をする優。