「あたしもはっきりと聞いたわけじゃないけど何となくね、だってそうでしょ? 前にも何度かせっかく近所に住んでいるんだから一緒に住んだ方が家賃浮くんじゃないの? て言った事があったけど一向にそうしなかったのは二人ともおつきあいしている人がいたからでしょ? じゃないと彼氏を家に連れ込めないものね」

 笑みを浮かべながら冗談交じりに言う母親の恵美子に対し同じく笑顔を浮かべつつやんわりと反論の言葉を口にするものの、はっきりと反論しきれないでいる絵梨。

「なによママったら連れ込むなんて人聞き悪い、確かに実際そうなんだけどさ」

次の瞬間優が思い出したように絵梨に声をかけた。

「それより絵梨帰るんじゃなかったの?」

「あっそうだった! じゃあ今度こそ帰るね、おやすみ」

その後絵梨は優が住むマンションを後にした。

 絵梨が優の家を後にすると今度は両親に対し声をかける優。

「じゃああたしたちももう寝ようか」

「布団敷くからちょっと待っていてね」

「手伝おうか?」

恵美子の声が飛んだがそれをやんわりと断る優。

「大丈夫だから待っていて」

「そう?」

しばらくすると優は二組のふかふかの布団を敷き終えた。