「それを言うならお義母さん方も同じことじゃないですか」

「あたしたちはあの子の親だから」

「だったらあたしも隼人さんの妻になる女です」

二人の言い合いに晴樹が口をはさんできた。

「二人ともそこまで、優さん今日の所は帰りなさい、それと母さん、私たちも帰ろう」

「お父さんどうして、お父さんは隼人が心配じゃないの?」

「心配だよ、そんなの当然じゃないか」

「だったらどうして」

「ここは完全看護のようだ、それに先生も命に別状ないと言ってくれている、だったら心配ないだろう。それにいつまでも私たちがここにいたら迷惑になってしまう」

晴樹の言葉に納得する陽子に続いて優も同様に納得する事となった。

「そうね、今日の所は帰りましょうか、優さん送るわ」

陽子の言葉であったがその声に遠慮してしまう優。

「ありがとうございますお義母さん、でも大丈夫です一人で帰れますので」

「そう? でも暗くなっちゃったわよ」

二人の会話に晴樹も加わって来た。

「そうだよ優さん、別に遠慮なんてする事ないんだ、家まで送ってあげるから乗っていきなさい」

優しく語り掛ける二人の好意に優は甘えることにした。

「ありがとうございます、ではお言葉に甘えさせていただきます」

すると近くにいた看護師に挨拶をする晴樹。

「では私たちは一度帰りますので、隼人の事よろしくお願いします」

こうして三人は名残惜しそうに病院を後にした。