「優さん今日はごめんなさいね、せっかくの結婚式だったのにこんな事になってしまって」

「いえ謝らないでください、こういう事態では仕方ないですよ」

「ありがとう、そう言ってもらえると少しは気が楽だわ」

ここで気になる事を口にする優、それは父親である芳雄に言われた言葉であった。

「だけど気になる事があって」

「なに気になる事って」

心配の表情を浮かべた陽子が何だろうと尋ねると優は更に続ける。

「たとえ命が助かったとしてもあとで障害が残らないか心配です。そんな事にならなければいいのですが」

優の心配な声に晴樹が応える。

「確かにそうですね、そんな事にならなければいいのですが」

そう懸念を示した晴樹はその後優に対しまさかの言葉を口にした、それは数分前に芳雄の口から放たれたものと同様の物であった。

「優さん、もし隼人に障害が残った時の事も考えておいてください」

それってどういう意味?

「どういう事ですかそれは?」

「隼人との結婚自体を考え直すという事です。幸い先に式を挙げてそのあと婚姻届けを提出することになっていたため入籍はまだしていませんよね、今なら戸籍に傷をつけずに済みます。もし隼人の体に障害が残ってしまったら世話が大変でしょう、良いんですよ無理に結婚して頂かなくて」

晴樹の言葉に悲しくなってしまう優。