青っちだって同じ仲間だ。


どうして距離を取らないといけないのかわからなかった。


「青っちだって一緒に食べならいいじゃん」


「それは嬉しい誘いなんだけど、でもダメだよ。英介が1人になる」


そう言われて舞はハッとした。


英介もまたこのクラスでは浮いていて、未だに友人らしい友人を作ることはできていない。


「そ、それなら英介も一緒に……」


そこまで言った時、英介が唇に人差し指を当てて言葉を遮った。


「わかるだろ舞。俺は誤解は解けても見た目で判断されることもある。そんなヤツが近くにいたら、舞にも迷惑がかかる」


「迷惑なんて!」


「それに俺、英介と一緒にいるのが楽しいんだ」


わかってる。


青っちはちゃんと考えて、その上で自分から離れていることを。


英介も1人ではなくなって最近は笑顔が増えてきたと思う。


「もしかして舞。俺のこと好きすぎてずっと一緒にいたいとか?」


冗談めかしてそう言われた瞬間、顔がボッと熱くなった。


火が出てしまいそうになるほど熱い顔を青っちからそむけて「バカじゃないの!?」と吐き捨てて教室から逃げ出してしまったのだった。