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それから数日が経過していた。


心配するなと言われても、イジメっ子の性格はそう簡単には変わらない。


1度誰かを痛めつける快楽を覚えてしまえば、後はそれを続けていくだけだ。


ターゲットが変わっても、やることは変わらない。


舞は自分がイジメから開放されることで、誰か他のクラスメートがターゲットになるのではないかという不安も感じていた。


あの3人組が素直に青っちの言葉に従うとも思えない。


今のところ舞へのイジメが止まっているため、余計に不安は膨らんでいた。


「舞、一緒に飯食べよう!」


舞の不安をよそに、昼休憩が開始すると同時に青っちは自分のお弁当箱を持って近づいてきた。


「うん」


頷き、舞は小ぶりなお弁当包みを取り出す。


青っちがこの学校へ来てからは、こうして一緒にお昼を食べることも日常になっていた。


最初は好機の目で見られていたけれど、青っちへの誤解も解けた今、クラスメートはさほど注目しなくなっていた。