「それで、さっき青っちに聞いたんだけど……」


どう質問すればいいかわからなくて視線を青っちへ向ける。


すると英介は大きく頷いた。


「昨日、偶然見たんだ。公園でのこと」


英介が声を落として言う。


舞は一瞬唇を引き結んだ。


「君が、泥だらけで顔を洗ってた」


自分がイジメられいているのを黙って見学していたのかと思ったが、そうではなかったようだ。


舞は少し息を吐き出し、頷いた。


英介を突き放しておいてどうして助けなかったのだと文句を言うだなんて、とんでもないことだ。


「声をかけようと思ったんだけど、それより先に青木君が君に声をかけて、だから僕はその……」


突然歯切れが悪くなった英介に舞は想像力を働かせた。


自分がそのときの英介だったら、きっとその後の展開が気になっただろう。


「もしかして、私達の後をついてきた?」


質問すると、英介は申し訳なさそうな表情で頷いた。