担任教師は20代半ばの若い男性で、いじめられていた生徒のことを日頃から気にかけていた。


イジメがあった証拠を残しておくように伝えていたのもこの教師だ。


そんな中で起こった暴力事件だ。


被害者はあの3人組だと聞いた瞬間、なにか裏があることには感づいていた。


『青木はクラスメートを助けたんです。罰する必要はありません』


校長へ向けて揺るぎない意思を見せつけた。


それでも聞く耳を持たれなかったら、今度はいじめられっ子のクラスメートを相談室へと呼び出した。


『君が校長の前で証言してくれれば、青木は助かる』


そう説得をして、イジメの証拠となる傷の写真を何枚も提出した。


その結果青っちはなんの罰も与えられなかった。


あの3人組は今までのイジメが露呈し、退学処分となった。


これですべてがうまく行ったと思われたけれど……担任教師がやったことは、問題を大きくふくらませることとして、他の教師から毛嫌いされた。


職員室に居づらくなった教室はほとんどの時間を教室で過ごし、その姿を青っちはずっと見ていたのだ。