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前の学校で青っちはごく普通の学校生活を送っていた。


ただ、毎日のトレーニングはかかさない。


学校から帰るとすぐに近所の柔道教室へ向かい、誰よりも先に練習を始める。


高校の部活動でも柔道はあったが、弱い選手に合わせたトレーニングをしているようなので、入部はしなかった。


とにかく自分自身を鍛えること。


小学校時代にイジメられていた苦い思い出がある青っちには、それが一番の目標だった。


その日も青っちは柔道へ向かう予定にしていた。


高校に入ってからは大会でも体格のいい選手が増えてきて、青っちを追い抜かす選手も多く出てきた。


それを見ていると俄然やる気が出てくるのだ。


当時通っていた学校は裏門からでも生徒が出入りできるようになっていて、少しでも近道をしって帰りたい青っちはいつも裏門へ回っていた。


ただ、裏から出ると細くて街灯もない道を歩くことになるので、好んで裏門から出ていく生徒は少なかった。


だから、呼び出し場所としても利用されることが多かったようだ。