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どうにか今日1日の授業を終えて、舞は1人で教室を出た。


あの3人組は帰り道にクレープ屋によるとかで、大声ではしゃぎながらすでに教室を出ていってしまっていた。


あの3人の顔を今日はもう見なくてすむと思うと心が軽くなる。


舞はこの時間になってようやく笑顔を見せることがでくるのだ。


かといって談笑しながら帰るような友人はいない。


舞はいつも1人で家までの2キロを歩いて帰る。


途中で友人たちの楽しそうに談笑しながら帰る生徒を見ると胸の奥がチクリと痛くなる。


けれど学校までの通学時間はまだマシだった。


舞のように1人で帰る生徒は珍しくないから。


舞にとって一番の苦痛の時間は休憩時間だ。


15分休憩ならトイレにこもっていればどうにかしのげる。


だけど昼休憩ともなるとそうも言っていられない。


30分も40分もトイレにこもっていることはさすがにできないし、それこそいい悪口の的にされてしまうだろう。


だから舞は毎日今日の昼休憩をどう過ごそうかと考えることで頭を悩ませるのだ。


梅雨時期でなければ中庭に出て読書ができるけれど、今の時期はそういうわけにも行かない。


自然と保健室や図書室などにいりびたることになってしまう。