舞が3人組に目を付けられたのは2年生に上がってからだった。


舞はいままでと同じように変わらず毎日学校へ来ていただけだった。


だけどどこかで3人組の機嫌を損ねるようなことをしてしまったのだろう。


気がつけばあの3人の標的になっていたのだ。


最初は陰口から始まり、それが机のラクガキになり、そして今は堂々と悪口を言われるようになった。


不幸だったのは3人組がC組内では中心的な人物だったことだ。


3人に目をつけられた舞を見て、友人たちはすぐに去っていってしまった。


いじめられっ子と仲良くすれば、自分の立場を危うくなる。


昔から言われているそれを信じていなくなった。


舞がひとりぼっちになってからはあの3人組はまさに無法地帯だった。


陰口は過激になり、あることないこと噂を流されるようになった。


時々上靴を隠されたり、教科書を破かれることもある。


そういうときは決まって3人のうち誰かの機嫌が悪くして、舞に八つ当たりをしているときだ。


今日はラクガキでとどまっているから、きっと3人組の機嫌は悪くないんだろう。


そんなこと理解できたって、なんの特にもならないけれど。


舞は1人自嘲気味に笑ったのだった。