でも、今だけ。


今だけは夢の中にいさせてほしい。


厳しい現実に立ち向かうために、今という甘えた時間が必要だった。


だから舞はしっかりと青っちの手を握りしめて離さなかった。


どこからか2人をじーっと見つめている視線に気がついていても、なにも気が付かないふりをしていたのだった。