パンフレットに書かれている乗り物はどれも面白そうで、こうして休憩している時間がもったいなく感じられる。


「そういえば青っちって射的得意だったよね」


「あぁ~、小学校のときの縁日?」


「そうそう!」


舞は昔のことを思い出して表情を緩める。


文化祭のようなもので、夏になると生徒たちが自作した遊べる屋台が並んだのだ。


高校のように食べ物の屋台はなかったけれど、同級生たちがつくったオモチャはどれも楽しくて好評だった。


その中で射的をつくったクラスがあり、青っちは百発百中で的に当てていた。


景品となっていたのはクラスの生徒たちがつくったぬいぐるみや紙ヒコーキなどだ。


「よかった。楽しい思い出を思い出してくれて」


ベンチに横になる青っちにそう言われて舞は我に返った。


「ご、ごめん。私ばかり楽しんで」


「いいんだよ。今日は舞の笑顔が見たくて誘ったんだから」


そう言われるとなんだかくすぐったい。


「学校にいるときの舞、なんだかつらそうだから」


そう言われてドキッとした。


青っちにはもうバレてしまっているのかもしれないと思うと、心臓が嫌な汗をかいた。