「次は何に乗る?」


ジェットコースターを下りた舞は青っちへ向けてそう聞いた。


最高時速240キロのジェットコースターは爽快で、乗っている間は頭の中が真っ白になってなにもかもが吹っ飛んだ。


ただ風の唸りと絶景とが舞の頭に焼き付いていく。


終わったときには心の中の様々なわだかまりが一挙に消え去ってしまっていた。


「うん……でも少し、待って」


青い顔をした青っちが開いているベンチに横になる。


「大丈夫? ジェットコースターに酔った?」


「そうみたい。俺、そんなに弱いと思ってなかった」


青っちは今にも吐いてしまいそうな顔をしている。


舞は近くに自販機を見つけて冷たい炭酸飲料を購入した。


「青っちこれ飲んで。少しはスッキリすると思うから」


「うぅ、ありがとう舞」


上半身を起こしてジュースを飲むと、少し顔色がよくなったように見える。


だけど絶叫系の乗り物はやめたほうがよさそうだ。


「今度はもう少しゆったりした乗り物に乗ろうか。メリーゴーランドとか、観覧車とか。あ、射的とかもあるみたいだね」