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本当に遊園地に連れて来られてしまった。


舞はゲートをくぐったところで周囲の喧騒に気圧されていた。


休日のテーマパークは人でごった返していて熱気がすごい。


空は今にも雨が降り出してしまいそうに暗いのに、人々はそんなことに気にしていなさそうだ。


「さて、最初はどこに行く?」


呆然と突っ立っていた舞の横で青っちが地図を開く。


「一番人気の乗り物はジェットコースターらしいけど、舞乗れる?」


質問されて咄嗟に頷いてしまった。


本当はジェットコースターなんて乗ったことがない。


自分が乗れるかどうかもわからなかった。


「じゃあ、最初にそこに行ってみようか」


そう言った青っちは自然に舞の手を繋ぐ。


舞は反射的にその手を振り払おうとしてしまったが、この喧騒の中迷子になったら二度と会えないかもしれないと思い、我慢した。