☆☆☆

「ごめん、これからどこかに行く予定だった?」


家から離れた場所で青っちがそう聞いてきた。


「別に、大丈夫だけど」


ぶっきらぼうに返事をする。


図書館で時間をつぶすつもりだったなんて、さすがに言えない。


「よかった」


「で、青っちはどうして私の家に来たの?」


小学校の頃から引っ越しはしていなかったから、青っちが家を知っていてもおかしくはない。


でもまさか、なんのアポもなく来るなんて思ってもいなかった。


「さっき言った通り、遊園地に誘いに来たんだ」


青っちはそう言うとズボンの後ポケットからチケットを2枚取り出した。


「本当に?」


「あぁ」


「どうして私と?」


青っちなら、前の学校に友達がいてもおかしくない。


「舞と一緒に行きたかったから」


理由になっているような、なっていないような不思議な解答だ。


青っちと遊園地か、楽しいだろうな。