「いいんです。今日は遊園地に行くので、ラフな方が動きやすいと思います」


「あら、そうだったのね」


舞をよそに話はどんどん進んでいる。


遊園地ってなに!?


そう聞きたいが、目を輝かせて青っちと舞を交互に見ている母親を前にすると、なにも言えなくなってしまう。


「ほら、準備ができているのなら、早く行きなさい」


せっつかれるようにして玄関へと向かう。


私服姿の青っちは舞と同じようにジーンズとTシャツでラフな格好だ。


だけど制服よりも分厚い胸板が主張されていて、更に大きく見える。


「じゃあ行こうか」


「う、うん」


舞はぎこちなく頷き、家を出ることになったのだった。