「こんなところでなにしてんの?」


「……別に、なにも」


もごもごと口の中だけで返事をする。


小学校4年生の頃、自分はどうしてあれだけ勇気を持っていたのか不思議なくらいだ。


自分のより強い男子生徒相手にハッキリと発言していたのだから。


そんな自分はもうすっかり鳴りを潜めていて、今ではどこにいるのかわからない。


「どうせだから一緒に学校に行こうか?」


恵美質問しているのではない。


恵美の言葉は命令だ。


舞は黙って、3人に囲まれるようにして歩き出したのだった。