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それから青っちは休憩時間のたびに舞に話しかけるようになった。


そのおかげでいつも1人ぼっちだということがバレずに済んだけれど、3人組の視線は辛かった。


舞と青っちが昔からの知り合いだとわかったはずだけれど、それでも舞と誰かが仲良くしているのが気に入らないようなのだ。


このしっぺ返しはいつやってくるかわからない。


少しの恐怖と、青っちと再開できたことの喜びを胸に抱えて帰宅すると、いつものように洗濯物を確認した。


室内はかなり湿度が高くなっているようだけれど、一応洗濯物は乾いている。


続いて冷蔵庫の中を確認して今日はオムライスにしようかと考えていたとき、不意に青っちの顔が浮かんできた。


嫌、本当は帰宅中にもずーっと青っちの顔が浮かんできていたのだ。


それに気が付かないふりをしていた。


「青っちは、今の私に幻滅するかな」


呟くと、それが現実になりそうで怖くて、軽く身震いをする。


あの3人組は明らかに今日の出来事を快く思っていなかった。


そうなれば、わざと青っちの前でなにかしてくるかもしれない。


舞のなけなしのプライドをズタズタに切り裂くために。


舞はギュッと握りこぶしを作り、逆の手で冷蔵庫を力任せに閉めたのだった。