「嘘。全然違うからビックリした!」


「あの後俺転校しちゃったからなぁ。転校先には舞がいないから、一生懸命強くなったんだ。柔道とか初めて、沢山飯も食ってさ。それで今はこんな感じ」


青っちは自慢げに力コブを作ってみせた。


あんなに弱くて、女の子みたいだった青っちはもういない。


ただ、優しい笑顔だけは今も昔も変わっていなかった。


「舞のおかげで俺は強くなれたんだ。舞は俺のヒーローだよ」


青っちの言葉にチクリと胸が痛む。


きっと小学生時代の青っちにとっては本当に自分はヒーローだったんだろう。


それなのに今の私は……。


青っちにだけは絶対にイジメられていることを言えそうにない。


それでも同じクラスだからいずれバレてしまうだろうけれど。


それまでは、小学生時代の自分でいたかった。