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夏休み1日目。


舞と英介と恵美と淳子と愛の5人はそろってぞろぞろと病室を訪れていた。


ベッドに寝転んで漫画雑誌を読んでいた青っちは上半身を起こして「どうしたんだよ、勢揃いだな」と、目を丸くする。


5人は互いに目を見交わせたかと思うと「せーのっ」と舞が合図を出し、同時に返却された答案用紙を青っちに見せた。


「おぉ、テスト返ってきてたんだな。みんなどうだった?」


青っちは舞から答案用紙を受け取ってその点数を確認し始めた。


赤ペンで書かれた点数の横に平均点を書いている。


「舞、全部平均点以上取れてるじゃないか!」


「へへっ。私だけじゃないよ。他のみんなもみんな平均点以上で、今年の夏は追試なし!」


舞が言うと、全員が拍手をした。


宿題は大量に出ていて学校へ行って勉強をする必要はない。


それは開放感のある夏休みを意味していた。


「ねぇねぇ私達どこにいく?」


「外は熱いから、できるだけ室内の方がいいなぁ」


「あ、水族館とかどうかな?」