「少し休憩して行こうか」


そう言った視線の先には小さな公園がある。


あの日3人組に踏みつけにされた場所だ。


よりによってあの公園かと思ったが、青っちはなにか余裕のない表情を浮かべているので、舞は頷いた。


小さなベンチに2人で座ると少し窮屈なくらいだ。


青っちと自分の肩が完全に触れ合っていて、温もりにドキドキしてしまう。


「ここの公園、相変わらず雑草がすごいね」


雑草は更に背を伸ばしていて、歩くのもやっとだ。


「こんなところでごめん」


青っちはようやく思い出したように言った。


「ううん。大丈夫。 それより青っちも大丈夫? さっきから険しい顔してるけど」


「俺は大丈夫だよ」


青っちはそう言うと居住まいを正して舞の方へ体を向けた。


狭いベンチの上だから、今度は膝がぶつかり合う。


青っちはそれを少し気にしながらも真っ直ぐに舞を見つめた。


その瞳は純粋そのもので、吸い込まれてしまいそうになる。