「そっか。一緒に帰る?」


聞きながら靴を履き返ると、青っちは素直に頷いたのだった。


青っちと肩と並べて歩くのは初めてではないのに、妙に緊張してしまう。


青っちへの気持ちに気がついたこと、英介を振ってしまったことなど、色々な気持ちが溢れてきて、青っちの顔を見ることができない。


2人は無言で帰路を歩く。


それほど長くはない道のりだ。


舞は勇気を出して青っちへ視線を向けた。


「話ってなに?」


聞くと、青っちは軽く体を震わせて舞を見た。


その目は少しだけ潤んでいるように見えた。


「英介から聞いた。断ったんだって?」


「うん」


「どうして?」


「好きな人がいるから」


そう言って青っちの表情を盗み見る。


しかし、青っちはそれに対して反応を見せなかった。


もう少し食いついてくれると思っていた舞は、ガッカリした気分になり、前に向き直る。