今僕の目の前に立つ彼女、広野亜美は、僕と同じ高校に通う同級生でありクラスメイトだ。
僕は彼女と近くの席になったことはないため、ほとんど話したことはないが、明るく前向きな性格であることはなんとなく知っている。
今年の春、高校2年生の春、新学期早々体調を崩し禍々しいオーラを醸し出す僕に優しく声をかけてくれたことはしっかり記憶している。
逆に言えば、それ以外で話した記憶がない。
そして、今、季節は夏。お盆真っ只中である。
暑さに耐えきれずアイスを買いにコンビニに行ったらクラスメイトと鉢合わせたーーなぜこれだけのことで驚くのか。
答えは簡単だ。だって、そうだろう。
ここは、僕らの高校がある県の、隣の隣の県。夏休みに、母の実家に来た先でクラスメイトに会うことなど、誰が想像できようか。
僕がアホみたいな顔をしていると、広野さんにちょんちょんと肩をつつかれた。
「な…」
「立ち話もなんだし、歩きながら話すのはどう?」
どう?と聞いておいて半強制的な口調で言われ、僕はしぶしぶ頷く。女子だからというよりはそもそも人と話すのがあまり得意ではないから、気は乗らなかったのだけど。
しかしその後の「君、帰るのどっち方向?」「え、あっちだけど」「え、うそ私反対方向」というやりとりで、実は彼女は抜けているところがあるのかもしれない、と思った。
僕は彼女と近くの席になったことはないため、ほとんど話したことはないが、明るく前向きな性格であることはなんとなく知っている。
今年の春、高校2年生の春、新学期早々体調を崩し禍々しいオーラを醸し出す僕に優しく声をかけてくれたことはしっかり記憶している。
逆に言えば、それ以外で話した記憶がない。
そして、今、季節は夏。お盆真っ只中である。
暑さに耐えきれずアイスを買いにコンビニに行ったらクラスメイトと鉢合わせたーーなぜこれだけのことで驚くのか。
答えは簡単だ。だって、そうだろう。
ここは、僕らの高校がある県の、隣の隣の県。夏休みに、母の実家に来た先でクラスメイトに会うことなど、誰が想像できようか。
僕がアホみたいな顔をしていると、広野さんにちょんちょんと肩をつつかれた。
「な…」
「立ち話もなんだし、歩きながら話すのはどう?」
どう?と聞いておいて半強制的な口調で言われ、僕はしぶしぶ頷く。女子だからというよりはそもそも人と話すのがあまり得意ではないから、気は乗らなかったのだけど。
しかしその後の「君、帰るのどっち方向?」「え、あっちだけど」「え、うそ私反対方向」というやりとりで、実は彼女は抜けているところがあるのかもしれない、と思った。