それから数日後の金曜日。私は、当主である父に色々な説明を受けて今はお店で使うグラスやシェイカー、テーブルと椅子などをカタログを見ながら決めていた。
「ん〜お酒の仕入れ先は、お父さんが手配してくれるって言ってたし……」
「まだなんも終わってないじゃねーか」
あ、大ちゃん……。そういえば物件はおじいちゃんが決めてくれるって言っていたな、店内のイメージでグラスとか決めたいなと思っているんだけど。
「無視すんなっ!」
「そんな怒んないでよ〜こっちは頑張って考えてんだもん……」
「俺らは酒なら大体強いから度が強いのがいい」
そういえばそんなことを確かに言っていた気がする。お父さんも良いあやかしは皆、度が強いお酒を十杯は余裕で飲んでいたと聞いたな。
「じゃあ、度の強い系メニュー考える」
「それが喜ぶかも。だけど女のあやかしも来るなら少し優しめも欲しいかもしれないな」
「そっか! めっちゃ参考になる〜」
強いのは……ギムレットやマティーニ、バラライカあたりかな。女性のメニューなら、オレンジジュースとレモンジュースを合わせたエル・プレンジデンテとかいいかも。