「頑張っておるな。どうだい、見つかったかい?」
「いえ……中々決まらなくて」
「それは良かった」
え、“良かった”……?
「当主と分家の奴らと話していたんだ……あやかしだけが利用できるバーを作ろうと」
「バー? あやかしだけの?」
「そうじゃ……適任がいなくて困っていたんだが、バーで働いていた悠花にオーナーとして働いて欲しい」
えっ、オーナー!?
「お酒を作るだけじゃない、悠花には傷ついたあやかしを癒すことができるだろう?」
「ま、まあ。そうだけど」
「その能力を存分に使って欲しい」
おじいちゃんが話に来たと言うことは拒否権はないですよね。