『悠花は、能力がないんじゃないんよ』 小さい頃、今は亡きお祖母ちゃんに言われた。 『でも、私はできないもん……お父さんやお母さんみたいなこと』 『そうね。でも……悠花には、誰にも持っていない癒しの力がある。それはこれから必要な力なんだよ』 そう言って頭を撫でてくれた――その数日後、彼女は亡くなった。