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30秒前。29、28、27、26──……
わたしは手元にある秒針付きの目覚まし時計を睨みながら、明日への秒読みを開始した。
20、19、18、17──……
脈を打つように、規則正しく。刻々と深夜0時が近づいてくる。
もうすぐ、明日になる。本当は明日に備えて早く眠るべきなんだと思う。明日はわたしにとって大切で、特別な日だから。
だけど、明日が来た瞬間、わたしにはやらなければいけない大事なことがあった。
彼はまだ起きていてくれるだろうか。
少し心配だけど、約束したからきっと大丈夫だろう。
5、4、3、2、1──……
秒針の先が12の文字盤を指した瞬間、心臓がトクンと大きく脈を打つ。
ついに日付が変わった。
今日、幼なじみが結婚する。
わたしはごくりとひとつ唾を飲み込んでから立ち上がると、リビングを抜けてベランダの窓を開けた。